2023年8月8日(火)

2023年8月8日(火)


『たましいの力』

マーティン・ルーサー・キング・ジュニアは『バーミンガム市刑務所からの手紙』の中に、赦しとの格闘を綴っている。

刑務所の外で南部の牧師たちはキングを共産主義者だと糾弾し、暴徒たちは「やつらを吊るせ!」と叫び、警官たちは非武装のキングの支持者たちに警棒を振り回している。

キングは、敵を赦すために必要な霊の訓練をするために、数日間断食をしなければならなかった、と書いている。
キングは悪を暴露することによって、道徳的暴挙という国家問題に迫ろうとしていた。

アラバマ州セルマで起きた事件の後、その暴挙は猛烈に激しくなった。
騎馬警官たちがデモ行進者の列に突っ込み、警棒を振り回して人々の頭を殴りつけ、その身体を引きずり回した。

傍観している白人たちが歓声をあげて喝采しているそばで、混乱する行進者に催涙ガスが発射された。

多くの米国人は日曜日の朝、映画『ニュールンベルク裁判』(1961年、S・スタンリー監督)が中断されて入ったABCニュースの映像で、その光景を目にした。

アラバマからの中継で視聴者が見た光景は、ナチス・ドイツの映画で観ていた光景に酷似していた。
リンドン・ジョンソン大統領はその八日後、1965年の投票権法案を提出する。

キングが展開したのは、火薬でなく恵みをもって戦うという高度な戦略だった。
彼は敵対者との話し合いを決して拒まなかった。
政策に反対しても、人格に反対することはなかった。

何よりも重要なのは、彼が非暴力をもって暴力に、愛をもって憎しみに反撃したことだ。
「苦々しさと憎しみの杯から飲むことで、自由への渇きを満たそうと思わないようにしよう。」

彼は支持者を一生懸命に諭した。
「私たちは、自分たちの創造的な抗議が物理的な暴力に堕すのを許してはならない。
何回も何回も、物理的力に霊の力で向かうようにして、威厳ある高みに上らなければならない。」

God Bless You!!


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