2023年8月6日(日)

2023年8月6日(日)


『ウェスレーとの旅』

英国旅行の最中、疲れ知らずの伝道者がその日々を綴った『ジョン・ウェスレーの日記』を朝読むことにした。
たまたまその朝読んでいたウェスレーの旅先を、その日の夜に訪ねることになった。

ところが、なんという違いだろう!
私は快適な車に乗って町から町へ移動し、恵まれた聴衆の前でチケット制の夜のイベントで話をした。

ジョン・ウェスレーは雨や雪の降るなか、馬に乗り、広場に集まった大群衆に向かって一日に四回も五回も説教し、憤慨している反対者たちとも向かい合った。

ウェスレーの『日記』を読み終えたとき、その体力、簡素な生活スタイル、英国中に生まれた多くの信仰者への全き献身に感銘を受けた。

その一方で、ウェスレーが身の周りの美や文化の豊かさに感謝していないことがどうしても気になった。

人が花壇を見つめていると、それを咎めた。
「神と、その愛を知ること以上に、どんな喜びがあるだろうか。」

英国のとある歴史的な邸宅を訪れたときには、こう言った。
「この屋敷が、そう、地球そのものが、あっという間に燃え尽きてしまうのだ!」

私たちは貧しい人々に仕え、宝を天に積みながらも、芸術、美、音楽、愛という贈り物に恵まれたこの人生を、どのようにいつくしめばよいのだろうか。

ウェスレーは富の危険を的確に表現した。

「宗教のいかなるリバイバルも、その性質上、どうすれば長続きするのかわからない。
宗教は、必然的に勤勉と倹約を生み、それらが富を生み出すことは必至であるからだ。
しかし、富が増えれば、うぬぼれ、怒り、この世のあらゆるものに対する愛も増大してゆく。」

現在の傾向が続けば、三十年後の英国にメソジストはいなくなるだろう。
私は、自分の国のこと、この世界で最も豊かな国でありながら、それでも最も宗教的な国に数えられる米国のことを思った。

今から二百年後に歴史家たちは現在の米国の教会についてどう見るだろうか。

G・K・チェスタトンからの引用が心に浮かんだ。
「落ちることは、いつでも簡単である。
落ち込む斜面は無限にある。
立っているその足許に必ず一つ存在する」。

God Bless You!!


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