2023年8月27日(日)
『輪を広げること』
1991年にロシアへ行ったとき、実際にKGBの役人と一緒に祈っているクリスチャンのグループに加わった。
「『悔い改め』という言葉の意味を知る必要があるから、来ています」と議長を務める大佐は言った。
私たちがそこをあとにしてから、彼は二百万冊の新約聖書をロシアの軍隊に配った。
恥ずかしいことに、私は冷戦の間、ロシアの指導者たちのために一度も祈ったことがなかった。
彼らを単なる敵と考えていたため、彼らを神の前に連れて行き、神の視点から見るという一歩を踏み出さなかったのだ。
現在、西側世界と敵対しているイスラム過激派はどうだろうか。
各キリスト教会がアルカイーダのメンバーの一人を選び、その人のために誠実に祈ったら、どんな効果があるだろう。
それ以上に、私たちは十分な祈りで自らの心を調べ、そもそもそのような敵愾心を生じさせた、この社会の中にある症状を探るべきではないだろうか。
2001年9月11日の夜、礼拝がもたれるという事前の知らせはなかったのに、私の教会には数百人もの会員が自発的に集まった。
米国人は少しの間、内省的になった。
敵のための祈りは言うまでもなく、敵を意識した祈りも、自省する機会を提供する。
私たちの敵は奇妙な仕方で、友人らがしてくれるように、私たちが何者であるかを明らかにしてくれるのだ。
C・S・ルイスは兄弟に宛てた手紙の中で、ヒトラーやスターリンやムッソリーニを筆頭とする自分が最も憎みたい人々のために、毎晩祈ったことに触れている。
そうした敵のために祈るとき、自分自身の残酷さも彼らの残酷さに似て来ることに思いを巡らす、と別の手紙に書いている。
キリストが自分のためと同様、彼らのためにも死なれたこと、そして自分自身も「これらのぞっとするような面々と大差ない」ことを思い起こしたのだ。
ほとんどだれもが敵のリストなるものをもっている。
米国にいる人々のいくらかは、そのリストにファンダメンタリストや右翼の共和党員を入れているだろう。
世俗的なヒューマニストや米国自由人権協会を載せている人たちもいるだろう。
クリスチャンが、政府や宗教によるあからさまな迫害に直面している場所もある。
しかし、イエスの真の弟子たちはみな、自分の敵を愛し、自分を不当に扱う者のために祈るようにという、驚くような命令を携えている。
そうしながら、私たちは共に神の愛の輪を広げていく。
それ以外の方法では神の愛を経験することがないであろう人々に。
God Bless You!!
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