2023年8月16日(水)
『死にゆく人々の天使』
1967年のセント・クリストファーズ・ホスピスの開設以来、シシリー・ソンダース———エリザベス女王二世に叙勲され、現在はデーム・シシリー———によって、15000人が高度な医療機器による延命治療なしに、自ら選んだ最期を迎えることができた。
62床のそのホスピスの設計は、死にゆく人々のケアについて彼女の学んだすべてが注ぎ込まれている。
デーム・シシリーは、「だれでも良い最期を迎えるのは、当然のことなのです」と言い、そうした権利を患者に提供する働きに精力を惜しみなく傾けている。
ソンダースは早くから、看護を教えるとともに、患者の意向を大切にする教育を行っていた。
癌病棟で死を待つ患者の世話を実践させることで、どんな看護学校も教えることのできない視点を提供した。
シシリーは、混雑して慌ただしい現代の病院では、末期患者はきわめて孤独な状態で息を引き取ることに気づいた。
心のうちに訴える力を感じ始めた。
これからの人生を末期患者のために使いなさい、という召しだった。
ソンダースは39歳を迎えようとしていた1957年に医師免許を取得する。
その二年後、『日々の光』というデボーションの本を読んでいたとき、詩篇37篇の馴染みのある一節に出合った。
「あなたの道を主にゆだねよ。
主を信頼せよ。
主が成し遂げてくださる」。
召しに対して行動を起こすときだった。
終日、チャペルでの黙想に費やし、長年心の中で温めてきた展望を書き上げた。
自分の考えを「必要」と「計画」に分けたその論文から、現代のホスピス運動が誕生した。
シシリー・ソンダースによれば、死を前にした人々のコミュニティーは、益を受けもするし、与えもする。
死を前にしている人々には教会の慰めと強さが必要だ。
だが教会も、死を前にしている人たちのコミュニティーが必要なのだ。
永遠の問題を思い起こすため、耳を傾けることを教えるため、キリストの名によって他者に仕えることでキリストに仕える道を示すために。
ソンダースは言う。
「私のホスピスのビジョンは、神のものであり、私たちが経験できるものよりもはるかに深い旅を分かち合うのです。
人を赦す犠牲的な神の愛と、神の無力さという力を統合します。
この自由でありながら危険な世界に、困難の発生を防ぐことはできませんが、そうした困難を私たちみなと分かち合う神のビジョンです。」
God Bless You!!
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