2023年7月30日(日)
『音量を上げる』
聖書の中で最も明るく希望に満ちた書簡———ピリピ人への手紙、コロサイ人への手紙、エペソ人への手紙———は、意外にもパウロがローマで軟禁されていた時期に書かれたものである。
それには十分な理由がある。
牢獄が貴重な時間を提供したからだ。
パウロはもはや、敵のしかけた炎を踏み消しながら町から町へ旅をせずにすんだ。
まずまず快適な環境に置かれ、人生の意味について深く思索することもできた。
キューバの刑務所で14年を生き抜いた人が、元気でいる秘訣を語った。
「最悪なのは単調さでした。
窓のない独房だったので、ドアに窓があると思うことにしました。
峡谷からの水が岩に滴り落ちる山の絶景を心の目で『見て』いました。
私には実にリアルなことだったので、独房のドアを見るたびに、その風景が自然に立ち現れました。
エペソ人への手紙は、使徒パウロが、軟禁先の退屈さを超えて心をさまよわせながら、何を「見て」いたかということの手がかりを提供している。
まず、残してきた教会の霊の成長を思い描いている。
このくだりはエペソの教会の活力に大いに感謝するところから始まっている。
それから「あなたがたの心の目」を開かせ、神の「限りなく豊かな」恵みが、より明瞭に見える目をもたせようとする。
エペソ人への手紙は、驚くほど良き知らせに満ちている。
その中で、パウロは最大の問いを投げかける。
神はこの世界にいったいどんな目的をもっておられるのか。
置かれている状況から、はるか上に目を向け、より大きな問題、宇宙的規模の問題に注目する。
そして声を大にして神の愛の計画に言及するとき、嘆きのような低い響きは微塵も表さない。
落胆したり、神は本当に心にかけておられるのかと疑問に思ったり、クリスチャン生活をあえて送る価値はあるのかと疑いの念をもったりするときに、エペソ人への手紙は優れた強壮剤になる。
すべての人が使える「キリストの測り知れない富」が処方されているからだ。
God Bless You!!
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