2023年7月3日(月)

2023年7月3日(月)


『前もって信じること』

最近、古い『タイム』誌の山をめくりながら、世界が30年前と比べて、どれほど変容して見えるかに驚いた。

当時の『タイム』誌は「氷河時代の到来」に関する記事を連載していた。
今しきりに聞くのは地球温暖化だ。
世界地図にはインドシナからアフリカまで共産主義の支配が広範囲に赤く塗られていた。

エコノミストは、米国の圧倒的支配の終焉と、米国、ロシア、中国、日本、ヨーロッパの間で新たなグローバルな対等関係が築かれるだろうと予言していた。

もっと最近の2001年8月の雑誌に、アルカイーダやオサマ・ビン・ラディンの名を見つけることはできなかった。
予言者たちは、テロとの戦いや冷戦の終結を含む、私自身の人生における決定的事件をどれも見逃していた。

未来を予言する私たちのお粗末な記録を顧みながら、聖書がしばしば待つという行為を核にしていることに驚かされる。

ひとりの子どもを待ち望むアブラハム。
エジプトからの解放を400年も待ち続けるイスラエル人。
約束された戴冠を穴の中で待ち続けたダビデ。

自分たちに与えられた奇妙な預言の成就を待ち続けた預言者たち。
イエスが力ある待望のメシアらしく行動するのを、じれったい思いで待ち続けた弟子たち。

ヨハネの黙示録の最後でイエスが放った言葉は、「わたしはすぐに来る」であり、その次に、火急の祈りが鳴り響く。

「アーメン。主イエスよ、来てください」。
この祈りはいまだ答えられていない。

第二次世界大戦中のドイツの収容所で、米国人捕虜が看守の目を盗んでラジオを作った。
ある日、ドイツの最高司令部が降伏して戦争が終わったというニュースが流れた。
ドイツ人看守らは、通信網が破壊されていたため、そのことを知らなかった。

終戦の知らせが広まるや、祝福の歓声が沸き上がった。
三日間、だれが捕虜か見分けがつかなかった。
捕虜たちは歌い、看守らに手を振り、ジャーマン・シェパード犬に笑いかけ、食事をしながら冗談を言い合った。

四日目の朝、ドイツ人たちは門に鍵をかけずに、一人残らず姿を消していた。
待ち続けた時間はこうして終わった。

ここで自問する。
私たちクリスチャンは、なぜ恐れ、不安を抱いて現代の危機に向き合っているのだろうか。
なぜ連合軍の捕虜たちのように、自分たちの信じている良き知らせに基づいて行動しないのだろうか。

信仰とは、とどのつまり、あとになって初めて意味をもつことを前もって信じることではないだろうか。

God Bless You!!


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