2023年7月27日(木)
『より自分らしく』
元文学教授(で映画『クイズ・ショウ』〔1994年、R・レッドフォード監督〕の主人公)マーク・ヴァン・ドーレンが、13年ぶりにケンタッキーの修道院に昔の教え子トマス・マートンを訪ねた。
ドーレンにもマートンの友人たちにも、マートンのどこが変わったかわからなかった。
どんな力がニューヨークのパーティー好きの人間を、孤独と沈黙を旨とする修道士に変えたのだろうか。
ヴァン・ドーレンは報告した。
「もちろん少し年を重ねたように見えましたが、じっくり話をしていても、決定的に変わったところはわかりませんでした。
それで、こう尋ねました。
『トム、君はちっとも変わらないね。」
すると彼はこう答えたのです。
『なぜ変わることがあるのです。
ここで求められるのは、より自分らしくあることで、自分らしくなくなることではありません。』
鋭い意見で、そんなふうに正してもらって、とても嬉しく思いました。」
新約聖書は聖霊の支配を、地上における神の働きの絶頂と記しているが、その理由は、それ以前の記述と比べてみると、いくらかわかる。
旧約聖書の時代、イスラエル人は恐れおののきをもって、それを生業とする祭司の保護のもと、一連の複雑な儀式を通して神に近づいた。
イエスの弟子たちは、イエスともっと深い個人的つながりがあったが、それにもかかわらずイエスの言葉をそれほど理解しなかったようである。
弟子たちは最後まで、イエスの使命の意味を取り違えていた。
ところが聖霊は、私自身のたましいに特に適したかたちで神の臨在を「具現化」してくださるのである。
ヘンリ・ナウエンはその生涯の最後に、祈りは彼にとって、「祝福に耳を傾ける」時になったと言った。
「祈りの本当の『働き』は、沈黙して、私の良いところを語ってくださる声に耳を傾けることです。」
自分を甘やかしているように聞こえるかもしれない、と彼は認めたが、自分が愛されている者であり、神がお住みになる神殿であると認識しているならば、そうではないのである。
自分の良いところを語る声を聞けば聞くほどに、他者がどう反応するか、自分はどれほどのことを達成したかで自らの価値を判断しなくなるということだ。
ナウエンは、飲み食いしたり、話したり愛したり、遊んだり働いたりする日々の生活の中で、内なる臨在が現れるようにと祈った。
「人間のあらゆる称賛や非難を超えた」ところにしっかりと根ざしたアイデンティティー。
ナウエンは、そのアイデンティティーによってもたらされる真の自由を探求した。
God Bless You!!
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