2023年7月2日(日)

2023年7月2日(日)


『持続するぬくもりの輝き』

バーノン・グラウンズに会ったのは、彼の65回目の結婚記念日の翌朝だった。

その日、グラウンズはデンバー神学校の新キャンパスの起工式で重要な役割を担った。
神学校の学長を23年務め、引退後は大学総長になった。
キリスト教カウンセリングだけでなく社会活動のパイオニアでもあった。

霧雨の降る寒い日に、教室から図書館に向かって足早に歩く学生たちの群れが見えた。

「ここの学生の多くが神の臨在を感じることに関心があるようです。
常に日の当たる人生を歩みたいと期待しています。
満足のいかない霊的生活について話す学生には、同じ問題と格闘したヘンリ・ナウエンや、自分を神の友だと一度も思わなかったルイス・スミーズのことを教えます。」

「神との関係が、常に一定の基準にあることを期待すべきではありません。
私の言うことを信じてください。
結婚生活が65年以上になりますが、いつまでも愛にうっとりしている状態ではありせん。

私の恋は、大きく燃え上がるかがり火のように始まりました。
『君は僕の人生を明るくしてくれる』ってね。

何十年か経つと、そのかがり火は、赤く燃える石炭の塊のようなものに落ち着いていきました。
もちろん熱はいくらか冷めますが、炭には炭の良さがあります。
マシュマロが焼けるし、足を温めることもできます。
レベルの異なる関係が始まります。」

グラウンズは霊の高揚を何度か感じたと言う。
だが、それは稀だった。

信仰をもち続けたのは、主として神との関係を大切にしたからだ。
夫婦関係を大切にしてきたように。

「私は火のそばで足を温めます。」

グラウンズは60を過ぎ、老いについて深く考えるようになると、ロバート・フロストの言葉、「衰えつつあるものから最大に学ぶには」を借用して祈り始めた。

人生がまだ三分の一も残っているとは考えていなかった。
グラウンズは90年の生涯で多くの試練を経験した。

「望むものを何でも達成する力が神にあることを、私は確信しています。
復活がそのことを証明しています。

けれども、霊的な力が善の力を悩ませていることも信じています。
私は神秘と逆説を受け入れます。

私と同じくらい長生きすれば、あなたもそう信じるでしょう。
ロバに乗って逆走した中国の哲学者のように、人間はあとになって初めて人生を理解するのです。」

God Bless You!!


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