2023年6月26日(月)

2023年6月26日(月)


『座ってクリックするだけの人間』

一連の物語を聞きながら思った。
「私が妻の仕事に就いていたら、作家として行き詰まることは決してないだろう」と。

そのあとで、さめた現実が私を幻想から連れ戻しにくる。
「フィリップ、問題が二つある。
まず、ジャネットの仕事におまえは尻込みするだろう。
もう一つは文章を書く時間がなくなることだ。」

そこで翌朝、シリアルの朝食をとると、またすごすごと地下室に降りて行き、コンピューターの前でカチカチと虫の鳴くような音を立てて一日過ごす。

やがて、私たち夫婦の大きな違い―――性格、外見、毎日の過ごし方―――そのものが、実際は大きな力になっていることが理解できるようになった。

ジャネットは私が決して知り得ない世界を新しく見せてくれる。
そこで私はチャレンジと刺激を受ける。

ほとんど希望のない人生を送っている人に妻が希望を与える話を聞くときに、私自身の信仰が試される。
そして、ときどき―――たった今のように―――彼女の経験が私の筆を進ませることさえある。

もはや妻の仕事を競争心から羨むことはなくなった。
むしろ、私だったらたちまちおかしくなってしまうような状況で毎日を過ごせる、妻の霊的な賜物と気質の違いに感心している。

妻の仕事を神への奉仕の一部として、誇りをもってとらえることも学んだ。
妻に仕え、妻の話に耳を傾けることで彼女を支え、再び厳しい仕事に打ち込めるよう助けている。

調子のいい日はこの原則を忘れず、ジャネットのために祈り、妻の困難であるが素晴らしい仕事をどうやって助けられるか模索する。

調子の悪い日は、おそらくコンピューターの前に座り、自宅の地下室ではなくヒル・ストリートにいるなら創作できるかもしれない大小説を、焦点の合わない目でぼんやり夢想している私が見られることだろう。

God Bless You!!


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