2023年4月11日(火)

2023年4月11日(火)


『ユダヤ教過激派からの希望』

私たちには希望に満ちた物語が必要だ。

十字軍を送った教会や、女性にいろいろと制限を加えるイスラム教徒をさばくのはたやすいだろう。
けれども、そんな私たちは今日、いくらかでもましな判断をしているのだろうか。

「文明の衝突」について書かれた本の中に、希望をもらえる一冊がある。
ヨッシー・クライン・ハレヴィ著『エデンの東の入り口で___現地のクリスチャンやイスラム教徒とともに神を求めるユダヤ教徒の探究』だ。

一見すると、ハレヴィは希望の光を灯す候補者らしくない。
ブルックリンの、ホロコーストを生き延びた正統派ユダヤ人コミュニティーで育ち(父親はハンガリーの収容所から生還した)、クリスチャンを恐れながら成長した。

イスラエルへの移住後は勇気をもって、イスラエルの主たる少数派であるクリスチャンとイスラム教徒のことを考えるようになった。

ジャーナリストでありながら霊の探究者としても活動し、ハレヴィは隣人たちに質問をし始めた。
ユダヤ教徒とイスラム教徒はクリスチャンよりも共通点が多いことは早くに学んでいた。

(情報量の十分でないイスラム教の宗教指導者がハレヴィに言った。
「ユダヤ教徒にもイスラム教徒にも律法があるが、クリスチャンにはない。
私たちには断食日があるが、クリスチャンにはない。
私たちは偶像を禁じているが、クリスチャンは偶像に向かって祈る。
私たちはひとりの神を信じているが、クリスチャンには三人の神がいる。」)

ハレヴィは、異なる世界観をもつ人たちを尊重する信仰者の代表だが、「何でもあり」の寛容すぎる軟弱な姿勢には決して屈することはない。

彼はイエスのことを次のように考えている。
「ユダヤ人はイエスと和解する必要がある。
私たちは今でもイエスに怒りを覚え、恐れを抱いている。

私の父は、イエスのせいでユダヤ人はこれほどつらい経験をしてきたと言っていた。
けれども、イエスを兄弟として迎え入れなければ、ユダヤ人はいつまでもキリスト教を真実のものではないと見るだろう。

神の言葉を世界中に広める。
このユダヤ人の目標を成就するために神がお用いになったのがイエスだ。
私はイエスのおかげで、人類の半分と霊の言葉を共有している。」

ハレヴィはさらに、今日のイスラエルに、キリストのような人を求めていると言う。
宗教省の役人と戦う洞察力のあるユダヤ人、愛と赦しを説く熱心な信仰者が欲しいと言うのだ。

「ユダヤ教過激派」であると自任する人がそこまで行き着くなら、中東にはまだまだ希望があると言えるだろう。

God Bless You!!


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