2023年2月8日(水)

2023年2月8日(水)


『イエスの容姿』

イエスについて私たちは山のような知識をもちながら、ある特定の基本情報は不明だ。

四つの福音書は、イエスの生涯の九割以上を省いている。
イエスの少年時代は一場面しか書かれていないし、イエスの受けた教育については何一つわからない。
家族生活の情報もあまりに少ないので、学者たちはイエスに何人の兄弟姉妹がいたか、いまだに議論している。

福音書の記者たちは、現代の読者が自伝に欠かせないと思っている事実に無頓着だったのだ。

イエスの容姿や目の色についても全くわからない。
いくらか現実的なイエスの肖像画が現れたのは五世紀になってからだが、それらの絵は純粋に想像の産物だった。

それまでギリシア人はイエスをアポロ神に似た髭のない若者に描いていた。
あるとき授業で、イエスがいろいろな描かれ方をしている芸術作品のスライドを数十枚見せた。

アフリカ人であるとか、韓国人であるとか、中国人であるとか。
そして「君たちはイエスの外見がどんなふうだったと思うかね」と尋ねた。

ほとんどの学生が、イエスは長身(一世紀のユダヤ人にはありえそうもないが)だったと言い、太っていたと言った学生は一人もいなかった。

タイトルロールに太った俳優の名が刻まれているキリストの生涯を描いたBBCの映画を見せると、それに嫌悪を覚えた学生たちもいた。
私たちが好きなのは、長身でハンサム、とにかく痩せているイエスなのだ。

二世紀にさかのぼるある伝説は、イエスの背が曲がっていたことをほのめかし、中世のクリスチャンは、イエスがハンセン病に冒されていたと広く信じていた。

聖書を隅々まで読んでも、イエスの肉体に関する記述は一か所しか見つからなかった。
それも、キリスト誕生の何百年も前に書かれた預言である。
イザヤの描いた姿で、新約聖書でそれをイエスの生涯に当てはめているくだりの中に記されている。

彼には見るべき姿も輝きもなく、
私たちが慕うような見栄えもない。
彼は蔑まれ、人々からのけ者にされ、
悲しみの人で、病を知っていた。
人が顔を背けるほど蔑まれ、
私たちも彼を尊ばなかった。

私たちが美化したイエスの姿は明らかに、イエス以上に私たちについて多くのことを語っている。

God Bless You!!


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