2023年2月26日(日)
『いのちの危機』
〔2月25日の続き〕
ボディーボードの上にきわめて不快な姿勢で横たわり、CTスキャンの結果を二時間待っていた。
やがて医師が入って来た。
「申し上げにくいのですが、ヤンシーさん。」
私は首を骨折していた。
詳しく言うと、第三頸椎が砕かれていた。
良い知らせは、脊髄系統自体の損傷がなかったことだった。
損傷していたら、クリストファー・リーヴのように身体麻痺になった可能性が高い。
悪い知らせは、骨片によって動脈が傷つけられている可能性があることだった。
「デンバーで手術を受ける必要に備え、ジェット機を用意しています。
もう一枚CTスキャンを撮ります。
ヨウ素染色をして、動脈からの出血がないかを確認します。
はっきり申し上げますが、いのちの危機にさらされている状態です。
大切な方々と連絡を取ってください。」
結局、その日はボディーボードに縛りつけられたまま七時間を過ごした。
私の人生できわめて長い時間だった。
事故に遭って対麻痺や四肢麻痺になり、一瞬にして人生が変わってしまった人々の記事を書いてきた。
自分もその運命から逃れられそうになかった。
しかし、動脈から血液が漏れていたら、脳に血液を供給する動脈から出血していたら、あるいはその漏れ出した血液が血餅を作ったら、たちまち麻痺よりも深刻な状態に陥る。
ボディーボードに横たわったまま、ロサンゼルスで教えてきたばかりの祈りについて考えていた。
そして命が消える可能性が初めて大きく膨れ上がったとき、驚くべきことに平安を感じたのである。
どれほど素晴らしい人生を送ってきたかを考えた。
献身的な妻を得て、五十か国以上で冒険をし、有意義で、完全な自由とも言えるほどの生活のできる仕事をもち、執筆を通して、会ったこともない人々とつながってきた。
人生を振り返ったとき、後悔することはほとんどなかった。
そして自分を待つものについて考えたとき、厚い信頼を覚えた。
私の育った教会のようなところで育った人は、炎と硫黄の、鼻を突くような臭いを完全に忘れ去ることができないだろうが、私は神への圧倒的な信頼感に包まれていた。
私が知るようになったのは、あわれみといつくしみと愛の神だった。
〔2月27日へ続く〕
God Bless You!!
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