2023年12月9日(土)

2023年12月9日(土)


『聖書の民』

ネヘミヤは彼ひとりだけを見ても卓越した指導者であるが、エズラと組むと、筋金入りの不屈の男になる。

この二人は完璧なコンビだ。
ネヘミヤには政治的な人脈があり、現場主義の経営スタイルと恐れ知らずの楽観主義で人々を勇気づける。

エズラは性格よりも道義的な力で人々を導く。
祭司としての彼の出自はモーセの兄アロンにまでさかのぼり、その役目を誠実に果たすことだけを心に決めていた。

エズラは数年前にエルサレムに着いたとき、ユダヤ人の霊が無感動になっていることに衝撃を受けた。
それで、髪の毛と髭をむしり取り、地に身体を投げ出し、悔い改めの断食を始めた。

その激しい痛悔の様にユダヤ人移住者たちは驚愕した。
そして、みな悔い改め、生き方を変えようとする。

ネヘミヤ記8章に記されていることが起きたのは、ネヘミヤが壁の修復という困難な作業をやり終えた
だ。
もはや敵に侵略される心配のなくなったユダヤ人は、国家のアイデンティティーの感覚を取り戻したいと思い、集結する。

エズラは霊的指導者として、大群衆に語りかける。
新しく造られた演壇に立ち、一千年近くも前に書かれた文書を読み始める。

イスラエルの民が神と最初に結んだ契約が書かれている巻物だ。

エズラがそれを読むと、群衆の中にすすり泣きが広がった。
聖書はその涙の理由を説明していない。

人々は、あの神との契約を破った長い歴史に罪意識を感じていたのだろうか。
それともイスラエルが完全な独立を保っていた良き時代への郷愁だったのか。

理由はどうあれ、涙を流す時ではなかった。

ネヘミヤとエズラは大規模な祝祭の用意を命じる。
神が求めておられるのは、悔やみではなく喜びだ。

神の選ばれた民は回復しつつあった。
エルサレムの城壁が再建されたように。

この章の中心的なイメージ———演壇でひとり巻物を読む人———が、ユダヤ民族の象徴になる。
彼らは「聖書の民」になっていた。

ユダヤ人たちは、領土も、かつて享受していた威光も取り戻してはいなかった。
けれども、エズラの教訓を決して忘れることはなかった。

エズラはユダヤ人の新しい指導者の原型、聖書に精通する「天の神の律法の学者」となった。

God Bless You!!


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