2023年12月8日(金)

2023年12月8日(金)


『預言者の現在』

逆説的ではあるが、預言は逆に働くときに最も効果的だ。

マタイやパウロのような新約聖書の記者たちは後ろを振り返れば、ユダヤ人の契約や預言者たちの預言を、イエスがどのように成就されたか証明できた。

当のイエスがいた時代の人は、新しいダビデ王がエルサレムを支配する日を待ち望んでいたが、神は「しもべなる王」を送って全宇宙を治めさせようとしておられた。

それと同じ理由で、ヨハネの黙示録のような書には、用心深く謙虚に近づくべきだ。
ヨハネはその時代にふさわしい言葉(騎兵、淫婦バビロン、純金の大通り)を用いて書いたが、その預言がどのような成就を見ることになるのか、確実なことはだれにもわからない。

しかし、神がもともとの約束を超えるように成就してくださることは間違いない。

預言者たちが「後」から「今」へという逆方向の流れをいかに強調しているかを知るにつれ、私の読み方も徐々に変化していった。

預言者たちは「今」の行動に影響を与えるために、人間の憧れるものを定義し、栄光の未来を描いた。
動揺や絶望のときにも人々がしがみつくべきものとして「神が望まれるとおりの世界」のヴィジョンを描いた。

以前の私は、未来、すなわち「後」と「ずっと後」を知る手がかりとして、預言書に向かっていた。

世界は核によるホロコーストで終わるのか。
地球温暖化は最後の時代を告げ知らせているのか。

しかし彼らのメッセージは、むしろ主として私の「今」に影響を与えるべきなのだ。

この混沌とした時代にあっても、私は、愛に満ちた力強い神を信頼しているだろうか。
教会が戦争と抑圧の源だと言われているときも、私は神の平和と正義のヴィジョンにしがみついているだろうか。

この世界に証拠があるように見えなくても、神の支配を信じているだろうか。

人は本能的に、未来へ飛んで行きたいと思うものだ。
預言者たちは現在を示しながら、彼らが描く未来の光の中に生きよとも言う。

あらゆる証拠が反対のものであっても、彼らのヴィジョンを信じ、それを地球の真の現実として受け入れることはできるだろうか。

神が愛に満ち、恵み深く、あわれみ深く、全能であられる「かのように」、「今」生きることができるだろうか。

預言者たちは、神は本当に存在し、歴史自体もいつの日かそれを立証することを思い出させている。
今ある、ような世界も、神が望まれるような世界になる。

God Bless You!!


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