2023年12月22日(金)

2023年12月22日(金)


『並列する宇宙』

疑いは私にとって、すべて一つになって、圧倒するような一塊となって訪れるようだ。

ある特定の教理の微妙な違いにはたいして悩むことはないが、信仰という大きな枠組み全体について、常々いぶかしく思っている。

たとえば、デンバーの超現代的な空港で、ビジネススーツに身を包んだ有力者と思しき人々を見つめる。
ブリーフケースを武器のように小脇に抱え、エスプレッソ・バーに立ち寄ってから、足早に別の通路に向かう人々を。

「この人たちの中に、神のことを考える人などいるのだろうか」と思う。
クリスチャンはみな、並列する宇宙という奇妙なことを信じている。

一つめの宇宙は、ガラスや鋼鉄やウールの服、革製ブリーフケースや挽き立てのコーヒーでできている。
二つめの宇宙には、天使と邪悪な霊の力があり、天国と地獄と呼ばれる場所がどこかにある。

私たちは明らかに物質的世界に住んでいる。
もう一つの、目に見えない世界の市民でもあると思うには、信仰が必要だ。

二つの世界が融合することがあるが、それは私の信仰に錨を下ろす稀有な瞬間だ。
シュノーケルをつけてサンゴ礁の海に潜ったとき、そばをすり抜けてゆくきらきらした色と抽象的なデザインを見て、突然、生命と美に大喜びされる創造主を知ることができた。

赦しても何の得にもならないのに、妻が私の過ちを赦してくれたときにも、驚くとともに神の恵みを垣間見ることができた。

こうした瞬間に恵まれながらも、やがて物質世界の有毒な臭いが染み込んでくる。

セックスアピール!
権力!
金!
軍事力!

これらが人生で最も重要なものだと言われる。
山上の説教のイエスの教えなど陳腐な言葉で、全く重要なものではないのだ。

堕落した世界に生きる私にとっては、疑いは、不信仰というよりも物忘れと言ってよいようだ。
目に見える世界の市民なので、目に見えないもう一つの世界への信仰にこだわるとき、そこにある葛藤がどんなものか、よくわかる。

クリスマスは形勢を逆転させ、二つの世界の主である神が、一つの世界のきまりで生きるために降りて来て、経験した戦いを暗示している。

ベツレヘムで二つの世界は再び一つとなった。
イエスがその後、地上で成し遂げたことによって、神はいつの日か、二つの世界のあらゆる不調和を解決できるようにされた。

天使の歌声が自然に湧き起こり、数人の羊飼いだけでなく、全宇宙を揺り動かしたのも当然だ。

God Bless You!!


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