2023年11月1日(水)

2023年11月1日(水)


『幕の後ろ』

神が隠れている事態に遭遇すると、ひどく間違った方向に行ってしまうおそれがある。
神を敵とみなし、隠れているのは神が無関心な証拠だと解釈しかねないのだ。

聖書に登場するある著名な人物の経験した事件が、それを別のかたちで表している。

預言者ダニエルは、ヨブほど過酷な状況ではないが、神が隠れておられる状態に置かれた。
毎日祈っていたのに答えてもらえないことに困惑していた。

神は、再三の要求をなぜ無視しておられるのか。

21日間、祈りに専心し、喪に服した。
ごちそうも食べなかった。
肉もぶどう酒も口にせず、からだに油も塗らなかった。

その間ずっと神に叫び求めたが、何の答えも返ってこなかった。

するとある日、思いもかけないことが起こる。
燃えるたいまつのような目と、稲妻のような顔をした超自然的な存在が、突然川岸に現れたのだ。

仲間はみな、恐怖におののいて逃げてしまった。
ダニエル自身は、「内からは力が抜け、顔の輝きも一変して、力も保てなくなった」。
そのまばゆい存在に話しかけようとするときには、息をするのもやっとであった。

この訪問者は、来るのが大幅に遅れた理由を語る。

ダニエルの最初の祈りに答えるために遣わされたが、「ペルシアの国の君」の激しい抵抗に遭った。
三週間の膠着状態の後にようやく援軍が到着し大天使ミカエルの助けによって敵を打ち破ったという。

ここで、この驚くべき宇宙の戦いの光景を説明するつもりはない。
あくまでも、ヨブと並べて注目したいだけなのだ。

ダニエルはヨブのように、善と悪という宇宙的な力の戦いにおいて、決定的な役割を演じた。
もっともその動きの多くは、目に見える範囲を超えたところで展開されていた。

ダニエルにとって祈りは無駄なもの、神は無関心なお方と思えたかもしれない。
だが「舞台裏」をのぞけば、その正反対であったことがわかる。

ダニエルの限られた視点はヨブと同様、現実を歪曲しただけのものだった。

全宇宙を背景とする大きな絵があり、そこには私たちが決して見ることのないたくさんの動きがある。
つらい思いをするなかで神にすがりついたり祈ったりするとき、そこには私たちが想像する以上の、ずっと多くの意味がある。

神がどんなに遠い存在に見えようと、私たちは見捨てられていない。
そう信じるには、またそのように信頼するには、信仰が必要だ。

God Bless You!!


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