2021年1月20日(水)の手紙

2021年1月20日(水)


『それはからし種に似ています。ある人がそれを取って自分の庭に蒔くと、生長して木になり、空の鳥が枝に巣を作りました。』ルカの福音書13章19節


東京電機大教授であった宮坂亀雄氏は、英国において聖書の果たした役割を次のように述べています。

1・英国は小さな島国でありながら、昔は実に多くの地方語に分かれていましたが、英語聖書によって統一されて標準語が完成しました。

2・英語聖書は英文学の最高峰として、英文学史上に重要な地位を占め、英国の詩人や作家たちに強い影響を与えています。
たとえば、ミルトンは聖書に基づいて不朽の名作『失楽園』を書き、バンヤンは『天路歴程』を書きました。
シェークスピアは熱心なクリスチャンとは思えませんが、それでも彼の作品には、数百の聖書のことばが引用されています。

3・英国人は子どものときから毎日聖書を心の糧として育つので、聖書は英国人の生活の一部となり、今日の英国人の品性をつくりあげ、人格的にも、道徳的にも、非常に大きな影響を与えています。
歴史家グリーンは、自著『英国史』の中で、「英国は一冊の書物の民となりました。その書物とは聖書のことです。」と記していますが、まさにその通りだと言えます。

4・英国の戴冠式は世界の盛儀のひとつですが、この式典には国王陛下に聖書をささげる儀式があります。
祭壇の上に前もって聖書を置いておき、ウェストミンスターの院長がそれを取ってカンタベリーの大司教に渡します。
大司教はこれを受けて恭しく王に献げて言います。
「仁慈なる王、我らはこの書を陛下にささげます。
これは、この世のもののうちで最も貴いものです。
すなわち生ける神のことばです。
これには神の英智が秘められており、王の律法であります。」

この儀式に英国民の精神生活の中心となっている聖書の権威が象徴されています。
このように、英国は聖書を抜きにしては語れないのです。


a:50 t:1 y:0