2023年8月30日(水)

2023年8月30日(水)


『古代の預言者、現代の疑問』

私は、預言書をずっと間違って読んでいた———わざわざ読もうとしたときには。
預言者のことを、エリヤのように異教徒のさばきを祈り求め、人を見下す、頭の固い老人だと思っていた。

けれども驚いたことに、預言書には聖書のどの部分よりも「現代的」な響きがある。
今世紀の暗雲垂れ込める問題と、まさしく同じものを扱っている。

神は沈黙され、悪が主権をふりかざしているように見え、世界には癒されることのない苦しみがある。

預言者たちがもった疑問こそ、本書の疑問だ。
神は不公平なのか、沈黙しておられるのか、隠れておられるのか。

預言者たちは歴史上、だれよりも怒りを込めて、神に対する失望を訴えた。
なぜ神を否定する国家が栄えるのか。
なぜこの世には貧困や堕落があるのか。
なぜわずかな奇跡しか起こらないのか。

神よ、あなたはどこにおられるのですか。
「なぜ、いつまでも私たちをお忘れになるのですか。
私たちを長い間、捨てておかれるのですか」。

姿を現し、沈黙を破ってください。
どうか、行動してください!

貴族であり、王の相談役でもあった預言者イザヤの語り口は洗練されている。
ウィンストン・チャーチルの口調がガンジーと違うように、イザヤの語り口もエリヤと違っている。

イザヤは神を「まことに、あなたはご自分を隠す神」と言う。
エレミヤは「成功の神学」の失敗に抗議した預言者だった。

当時、預言者は地下牢や井戸に投げ込まれ、のこぎりで真っ二つにされることさえあった。
エレミヤは神を、力のない者、「驚いているだけの人や、人を救えない勇士」にたとえている。

他のイスラエル人たちと同様、預言者も輝かしい話を聞いて育った。
神が民を奴隷から解放し、天から下りて来て彼らの中に住み、約束の地へ導き入れてくださったと教わった。

だが、実際に預言者が見た未来の幻に、そういった輝かしい勝利はない。
エゼキエルは、ソロモンの時代に神が天から下りて来た忘れがたい場面とは逆に、神の栄光が天に上り、神殿の上に一瞬とどまってから消え去るのを見ている。

エゼキエルが幻の中で見たものを、エレミヤは現実に見た。
神殿に入ったバビロンの兵士は聖所を荒らし、焼き払った。

戦火に焼き払われた瓦礫の中を呆然と歩く人のように、エレミヤはショック状態で、打ち捨てられたエルサレムの通りをさまよった。

God Bless You!!


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