2023年1月9日(月)
『世界で最も難しい職業』
アーミッシュの家庭で夕食を共にしたとき、牧師を選ぶ珍しい手法を知った。
その地方に暮らすアーミッシュは8年生までしか学校に通わず、神学教育を受ける人などほとんどいないという。
全会衆が、牧師にふさわしいと思う男性に投票し、3票以上を得た人たちは前に進んでテーブルにつく。
「新しい牧師に任命する」と書かれたカードが、それぞれの前に置かれた讚美歌のどれかに挟まれている。
翌年、新任牧師は週に2回、約90分の説教を行う。
「選ばれた人が、自分は牧師になる資格がないと思ったときは、どうするのですか。」
アーミッシュの友人に尋ねてみると、彼は不思議そうな表情を浮かべてこう答えた。
「自分が牧師にふさわしいと思つている人を、私たちは望みません。
欲しいのは謙虚な人、神に助けを求める人です。」
アーミッシュ式の牧師の召しを推奨しない(旧約聖書のくじ引きで決める方法に似ている点は興味深い)が、友人の発した最後の言葉には考えさせられた。
トマス・マートンはかって、私たちが牧師や司祭に期待していること——他者を教え、助言を与え、慰め、祈ることは実際のところ会衆の責任なのだ、と言った。
職務記述書や職務遂行能力に異様にこだわる現代、神を知るという、牧師にとって最も重要な資格を、私たちは見ていないのだろうか。
五億人の指導者であったヒンドウー教徒のガンジーは、インド独立をめぐる交渉の最中でも、毎週月曜日を沈黙の日として守る原則を決して曲げなかった。
霊を養うその日を守ることができなければ、あとの六日間に良い仕事はできないと信じていた。
霊的指導者たちが、省察、瞑想、個人的な学びをする沈黙の時間として、週に一日を確保できるようにしたら、どれほど良い仕事ができることだろう。
牧会者の霊的な健康を……牧会者の能力ではなく……私たちの最優先事項としたら、教会はどれほど良い仕事をすることだろう。
God Bless You!!
a:14 t:1 y:0