2021年2月4日(木)の手紙

2021年2月4日(木)


『律法と預言者はヨハネまでです。それ以来、神の国の福音が宣べ伝えられ、だれもが力ずくで、そこに入ろうとしています。』ルカの福音書16章16節


青年ウィルバーは、医師としての十分な訓練を受け、また天来の才能によって将来を期待された有能な医師でした。

しかし、彼は名声を求めるのでなく、さまよえるたましいを求めて遠い中国へ医療宣教師として出て行きました。その地でチフスが大流行すると、眠る間も借しんで治療にあたりました。
休む間もなく働いて疲れきってしまったので、とうとう患者を通してチフスに感染してしまい病床に伏してしまいました。

そんなとき、帝王切開をしなければ母子ともに死んでしまうと言って、産婆があわてふためいて、一人の婦人を戸板にのせて彼のもとに運び込んで来たのです。
すでに自力では起きることもできなくなっていたウィルバー医師は、この知らせを聞くや、おろおろしている人たちを励まして言いました。

「私をかかえて手術室へつれていってください。」
「先生、いけません。衰弱しきったそのからだで手術すれば、先生のいのちが危なくなってしまいます。」

周りの人たちは心配して言いました。

「生きる限り人のために尽くすのが、医師としての私の役目です。
私が助けなければ、あの母子は死んでしまうではありませんか。」

そう言って、ウィルバー医師は、両側から人々にささえられながら、手術にとりかかりました。
手術は成功し、母親も助かり、赤ちゃんも無事に産まれました。
けれども彼の肉体は、そのときの働きに耐えられませんでした。
入院中の赤ちゃんの泣き声をかすかに聞きながら、二日後、ウィルバー医師は天に召されていきました。

God Bless You!!


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