2021年11月11日(木)
『そこで私は、天の神に祈ってから……。』ネヘミヤ記2章4節
四ヶ月にわたってネヘミヤは、エルサレムの崩れた城壁について祈り続けました。
昼も夜もエルサレムのことが心に刻まれ、目に浮かんでいたようでした。
ネへミヤのたましいが一途な思いに没頭していることを用いて、神は機会をもたらしてくださいました。
エルサレムのために何をしたいかとアルタシャスタ王に問われるや、ネヘミヤは助けを求めて即座に祈ったのです。
これは、恵みの戸をたたき続ける祈りではなく、むしろ多くのノックを一回に凝縮したものでした。
王に問われてネヘミヤが答えるまでの間に、この祈りはなされました。
その時間はおそらく気づかれないほど短かったでしょうが、神が心に留めてくださるには十分な時間であり、またネヘミヤにとっても、王にどう答えるかについて神の導きを求めてそれを得るには十分な時間でした。
ネヘミヤは、そのとき「ひどく恐れて」おり、電光のごとく、まばたきのごとく、祈りをささげました。
その祈りは直観的ながらも確かにささげられ、神に応えられる祈りとなりました。
それは声を出さない祈りであったことがわかります。
アルタシャスタ王は、おそらく1メートルと離れていなかったにもかかわらず、ネへミヤか祈っていることを知りませんでした。
宮の最も奥まった聖所、すなわちネヘミヤ自身の内なるたましいの最も聖なる所において、ネヘミヤはまさに祈ったのです。
声を出さない短い祈りでした。
その場での祈りでした。
ダニエルのように自分の部屋に行くこともせず、窓も開けませんでした。
ダニエルは正しかったのですが、これは異なった状況でした。
ネヘミヤは顔を壁に向けることさえしませんでした。
しかし、そのときその場で、王のさかずきを手に持ったままで天の神に祈り、それから王の問いに答えたのです。
そして祈りは、きわめて真剣かつ率直でした。
「天の神」という呼び名をネヘミヤは好んでいました。
誰に向かって祈りをささげているかを、わきまえていたのです。
ネヘミヤはどこにでも向けて祈りの弓を引いて射かけたわけではなく、まっすぐ神に向かって自分の願いを祈りました。
その場で短く祈ることの価値を見くびってはなりません。
ネヘミヤの祈り、すなわち問いと答えの間になされたわずかな時間の祈り、ほんのわずかなデボーションは、聖書の歴史の記録から消されることはなかったのです。
天の神よ、
どんな祈りでも、短かすぎたり取るに足らなかったりすることはなく、あなたの注意深い御耳が必ず聞いてくださることを感謝します。
アーメン
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