2018年4月21日(土)の手紙

2018年4月21日(土)


『しかし、その夜は何もとれなかった。夜が明けそめたとき、イエスは岸べに立たれた。』ヨハネによる福音書21章3節~4節


私たちは人生のどん底を知っているでしょうか。
ペテロとその友人たちは、そのどん底にいたのです。

彼らは最初、イエスが復活されたと聞いて、喜びにあふれました。
が、何事もなく数日が過ぎ去ります。

ペテロは考えました。
「イエスに従うのは、無骨な漁師には難しい。
だから…、昔の魚とりに戻ろう」。

そのとき、心は闇であったに違いありません。
やがて夜になると、心はいよいよ暗くなります。
「その夜は何もとれなかった」からです。

屈強な男が歯をくいしばって、何度も何度も網を打っても、獲物はかかりません。
「は、は、は」。
ペテロは力なく笑いました。
自分をあざける笑いです。
「古巣に戻っても、さっぱりだ。
どこまでも祝福から見離されている」。

星さえ出ない夜でした。
おそらくペテロは、あの大いなる日々を思い起こしたことでしょう。
「あなたは、生ける神の御子キリストです」。
彼はそう告白した男ではありませんか。
そしてイエスは彼を「岩」と呼ばれたのです。
「ああ、私のいったいどこが岩なのだ」。

人が、神の国から閉め出された自分を見、しかも、地上のことでも何ひとつ成功しないというとき、それはまさしくどん底です。

しかもそれはペテロだけの体験ではありません。
私たちはみな、そのようなどん底を知っています。

しかし、まさにその時に「イエスは岸べに立たれ」ました。
弟子たちには、まだその姿も見えず、それがイエスであることもわかりません。
それでも…、主はそこにおられたのです。

主が私たちを見捨てることはないという、救い主のこのご真実によって、私たちキリスト者は生かされるのです。

主よ。
「だれもわたしの手から彼らを奪い去るようなことはない」とのお約束を、私たちにも真実なものとしてください。アーメン

God Bless You!!


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