2018年10月11日(木)の手紙

2018年10月11日(木)


『シモン・ペテロが答えた。「主よ。私たちがだれのところに行きましょう。あなたは、永遠のいのちのことばを持っておられます。私たちは、あなたが神の聖者であることを信じ、また知っています。』ヨハネによる福音書6章68節~69節


画家ヴィルヘルム・ブッシュの、愉快な作品は、近ごろ世界中に繰り出す旅行者のひとりを描いたものです。

旅人はそこいら中を歩き回り、双眼鏡を熱心にのぞいています。
絵の横に添え書きがあって、「どうして行かねばならぬのか。
遠くを眺めて彼は言う。よそも確かにきれいだろう。
だが、どっち道、ここがよい」。

これを書きつけて、詩人兼画家は笑ったでしょうか。
彼はまじめな問題を取り上げたのです。
その絵は人間の心の悲劇を語ります。

心は「ギリシャかアフリカに行けたら幸せだろうと考えます。
が、実際に行ってみるとわかるとおり、平安のなさ、心配、渇き。
人間はそれらをどこまでも引きずって行くのです。

そして、また先をながめて「あそこへ行けたなら」「あれが、手に入れば」と言い続けるのです。

シューベルトの歌曲の一節は印象的です。
「お前自身がいない所。幸福はそこにある」。

「いったいどこへ行きましょう」とペテロは主イエスに尋ねました。
「目的地に着き、平和を見いだし、本当のいのちを持つには、どこへ行けばよいのか」。

こう尋ねつつ、彼は主イエスを見つめました。
そうして自分で答えるのです。
「わが救い主よ、あなたこそが目的地です。
あなたこそは、いのちの源です。
私の心は慕いあえぎます」と。

テルシュテーゲンも歌いました。
「あなたを持つ者は落ち着いて、満ち足りる。
あなたの聖霊にすがる者は、もはや渇かない」。

そうであるならば、人はもはや望遠鏡で「もっとよいもの」を捜そうとはしません。

主よ。
いつもあなたを見いだせることを感謝いたします。アーメン

God Bless You!!


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