2023年5月7日(日)

2023年5月7日(日)


『美しさのテスト』

神が臨在する証拠を、思いもよらない場所に見てきた。

ネパールに行ったとき、理学療法士の案内で、ハンセン病のリハビリを専門に行う「緑の牧場病院」を妻と訪れた。

外廊下を歩いていると、見たこともないような女性が中庭にいた。
両手にガーゼの包帯が巻かれ、足が変形したこぶになり、顔にはこの病によって生じた跡があった。

鼻は縮み、くぼみが見えるだけだった。
その目は濁って皮膚硬結に覆われ、光が入らない。
視力を完全に失っていた。
両腕の皮膚はまだらで傷だらけだった。

私たちは病院を一周し、同じ廊下を歩いて戻った。
その間、この人は傷ついた動物のように両肘をつき、身体を引きずって地面を這い進み、中庭を横切って歩道の端までやって来た。

恥ずかしいことだが、最初は、「お金を欲しがっている物乞いだ」と思っていた。
身体の弱った人々を助けて働いてきた妻の反応は、はるかに神聖なものだった。

妻はためらうこともなく女性のほうへ身を屈め、その身体に手を回した。
その女性はジャネットの肩に頭を載せるとネパール語で歌いだした。

だれでもすぐわかる曲だった。
「主われを愛す。主は強ければ、われ弱くとも恐れはあらじ。」

「ダンマーヤは、最も献身的な教会員の一人です。」
理学療法士が後で教えてくれた。

「患者のほとんどがヒンドゥー教徒ですが、ここにはキリスト教の小さなチャペルがあって、彼女はドアが開くと必ずやって来ます。

祈りの戦士なのです。
『緑の牧場』にやって来るすべての訪問者に挨拶して歓迎します。
だから私たちがこの廊下を歩きながら話していたのを聞いていたはずです。」

数か月後、ダンマーヤの訃報を聞いた。
彼女がジャネットのほうを向いて歌っていたときに撮った写真を、机の近くにしまっている。

美にとりつかれたセレブ文化に自分が毒されている気がするたびに、その写真を引っ張り出す。
二人の美しい女性が写っている。
前日に買った色鮮やかなネパールの衣装に身を包んだ妻が、優しい微笑みを浮かべ、(最も重要なテスト以外の)あらゆる美のテストに落第するはずの高齢の女性を両腕に抱いている。

形が損なわれ、痩せこけたその身体から、神の臨在の光が輝いている。
聖霊が家を見つけられたのだ。

God Bless You!!


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