2023年3月11日(土)

2023年3月11日(土)


『不穏な信仰』

2004年にハンガリーを訪れ、ユース・フォー・クライストのスタッフ会議で話をした後、電車でオーストリアに入り、インターヴァーシティーの国際版であるIFES(国際福音主義学生連盟)が提携しているお城で週末を過ごした。

いずれの会場にも東欧からの出席者がいて、驚くような話をいくつも聞いた。
ウクライナやラトビアなどから来ていた人々は、無神論者として育ちながら、十代で回心した。

たとえばセルゲイは12歳で回心した。
両親に外のトイレ(屋内トイレはなかった)に行くと言って、柵を乗り越え、クリスチャンの隣人たちと祈りをささげた。

信仰はきわめて不穏な行為だったのだ。
いまセルゲイは、東欧の何千もの人たちをEメールでつなげる祈りのミニストリーの責任者だ。

ハンガリー出身のピーターは、聖書を黒いビニール袋に入れて運ぶ西洋人を助け、彼の両親はその聖書を密かに配ったという。

モルドバ出身のオレグは、教会が現状にあまりに満足しているために、プロテスタントの信者たちは選挙のときに共産党の候補者に投票していると報告した。
彼らは迫害下の教会に見られた純粋さを取り戻したがっている。

ブダペストで恐怖の館を訪れた。
ナチスとソ連に挟まれたハンガリーのたどった二十世紀の悲しい歴史を記録している最新の博物館で、ちょっとした物議をかもしている。

ハンガリー人の歴史は、征服された民の歴史だ。
アッティラのフン族、モンゴル人、イスラム教徒、ナチスとロシア人。

博物館は、初めはナチスの親衛隊(SS)本部として、後にロシアのKGB本部として占拠された建物を使用している。

地下牢と拷問部屋がそのまま保存され、全体主義に特徴的な盗聴器やプロパガンダの装置がきちんと展示されている。

米国に戻るなり、大統領候補ジョン・ケリーの選挙の敗北宣言を見た。
ケリーは、私たちの偉大なところは、選挙の翌日もみな米国人のままであることだ、と言った。

恐怖の館で数時間を過ごした後、その教訓が深く胸に染みた。

God Bless You!!


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