2023年2月3日(金)

2023年2月3日(金)


『ごみの教会』

〔2月3日の続き〕

湾岸諸国の後にエジプトのカイロを訪れた。
町は茶色の建物ばかりが、あらゆる方向に何キロも無秩序に伸びている。
エジプトには毎日四千人ほどの人々が入って来て、220万の人口を押し上げている。

湾岸諸国と異なり、人口の約10パーセントを占めるのが、古くからあるクリスチャンのコミュニティーで、彼らの祖先は使徒ルカにまでさかのぼる。

私たちは日曜日にカイロ郊外のモカッタムにある「ごみの教会」を訪れた。
ごみを拾いに来る人々が三万人の無秩序なスラムを作っている。

正式なごみ処理業者がいないため、カイロのごみ処理は、スラムをうろつき、ごみを拾ってビニール袋に入れる人々に頼っている。
彼らはこのスラムまで運んだごみを広げ、リサイクル可能なプラスチックや金属を選り分け、それらを売って、そこそこの収入を得ている。

30年ほど前、スラムの近くに大きな洞窟の入り口が見つかった。
やがてコプト派のクリスチャンが洞窟から14万トンの石を運び出して、三千席の野外劇場を作った。

作業は、イスラム教徒が断食する期間の夜、警備員が夕食をとりに帰宅してから行われることが多かった。
そこが教会として手狭になると、やはり石を切り出して一万三千席の円形演技場が造られ、今ではそこで集会がもたれている。

ポーランドの彫刻家が岩に聖書の場面を彫り、地面には美しい植物が植えられ、貧しい砂漠に美しいオアシスが出現している。

中東でキリスト教に改宗する人は珍しいが、「イスラム教の背景をもつ信仰者」の秘密の集会で、そうした何人かに会うことができた。
実際、どの人も、イスラムを捨てる勇気ある一歩を踏み出すようにと促した夢や幻のことを語った。

いずれの国にもそれぞれの特徴がある。
クウエートのドライバーは運転が荒っぽい。

バーレーンは、海上橋を渡ってサウジアラビアからやって来た欲求不満の人々に、アルコールや売春婦を提供している。

カタールには、アラブのほとんどの家庭が受信している衛星テレビ局アルジャジーラがある。
そこは世界でも異質な場所であり、世界の注目を集め続けている。

未知の文化や数人のテロリストを見て、中東の人たちすべてを判断しないでほしいと、米国人に訴える声を聞いた。
帰国したとき、人権が保障され、女性や少数派の人々がまともな扱いを受ける民主主義社会に生きていることをありがたく思った。

God Bless You!!


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