2023年1月6日(金)

2023年1月6日(金)


『逆に見ること』

神からの課題を真剣に受け取るとは、イエスがしたように世界を逆に見始めることだ。

自分の自我をくすぐる人を探そうとするのでなく、自我をなでてもらう必要のある人を探し出す。
自分に便宜を図ってくれそうな財産家ではなく、財産をほとんどもたない人を探す。

強い人ではなく、弱い人を探す。
健康な人ではなく、病をもつ人を探す。

神はこのようにして、この世界をご自分と和解させるのではないだろうか。
イエスは、正しい者ではなく罪人のために、健康な者ではなく病人のために来た、と言わなかっただろうか。

精神障がい者のためにラルシュ共同体を創設したジャン・バニエは、よく人から気が変であると思われると言っている。

カナダ総督の息子で一流の教育を受けたバニエは、熟練労働者(ヘンリ・ナウエンもその一人だった)を募り、障がい者とともに暮らし、奉仕させた。

バニエはこの世界の無意味な価値観に従うより、気が変だと言われても、福音の愚かさに従いたいと言って、自身の選択について陰口をたたく人々のことを完全に無視する。

さらに心身に障がいをもつ人たちに奉仕する人は、障がい者と同じくらい恩恵を得ていると主張する。
障がいの程度が最も重い人々でも、愛に対して本能的に反応する。

この人たちはそのようにしながら、人間にとって最も重要なこと−−−あわれみ、寛容さ、謙遜、愛−−−に気づかせる。

逆説的であるが、彼らは自分に仕えてくれる人たちに再びいのちを満たしているのだ。

私はインドでハンセン病患者たちとともに礼拝をささげたことがある。
この病の治療の医学的進歩は、宣教師の医師たちの努力の賜物だ。

率先してハンセン病患者たちと暮らし、恐ろしいと言われていたこの病を研究するために、危険に身をさらしたのは、彼らだけだった。

ミャンマーでは、エイズに罹患している孤児たちの施設を訪ねた。
そこではクリスチャンのボランティアが、親に代わって、この病が奪い取った愛情を注いでいた。

トロントにあるジャン・バニエのセンターでは、学者肌の牧師が毎日心を込めて、一言も話ができない中年の精神障がい者の世話をしていた。

出席した礼拝で最も感動的だったのは、チリとペルーの連邦刑務所で行われたものであった。
身分の低い人々、悲惨な人々、虐げられた人々、拒絶された人々の中に、神の国は根を下ろしている。

God Bless You!!


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