2023年1月27日(金)

2023年1月27日(金)


『アルコール依存症の教師たち』

地域の教会ではなし得ない方法で、少なくとも私の友人に対してはなし得なかった仕方で、アルコホリック・アノニマス(AA)が人々の差し迫った必要に応えているという事実に、私は考え込んでしまった。

私は友人に尋ねた。
AAにはあって地域の教会にはないものは何か、と。

彼は、コーヒーの入ったコップを長い間見つめていた。
彼が静かにひとことつぶやいたのは、「依存」という言葉だった。

「ぼくたちはだれひとり自分の力だけではやっていけないんだ。
だからこそ、イエス様が来てくださったんじやないのかい?

でも教会の大多数の人たちは、自分たちは敬虔で優れているというふうな自己満足の雰囲気をかもしだしている気がする。

ぼくには、その人たちが本当に神様やお互いに拠り頼もうとしているようには感じられないんだ。

その人たちの人生は順調に見える。
アルコール依存症の者がそんな教会に行くと、自分は欠点だらけの落ちこぼれだとしか思えないんだ。」

「おかしなことだね。
自分の最も嫌なところ、つまりアルコール依存症ということを用いて、神様はぼくをみもとに連れ戻してくださったんだ。

アルコール依存症だからこそ、ぼくは神様に拠り頼まなければならないんだ。
そう考えると、アルコール依存症にも価値があるということだね。

たぶん神様は、ぼくたちアルコール依存症の人たちを召しておられるんだろうね。
神様や教会を信頼して生きるってことはどういうことなのか、身をもってクリスチャンに示すように、とね。」

友人の「深夜の教会」から、私は、神と寛大で温かい友人のコミュニティーに対する謙遜と誠実、そして全き信頼の必要性を学んだ。

そのことについて考えたとき、これらのことはまさにイエスがご自分の教会をお創りになった際に考えておられたものではないかと思われた。

アルコホリック・アノニマスは、ビル・ウィルソンによって設立された。

ビルは独力で六か月間、酒を断っていた。
しかしあるとき、出張先で仕事の取引が失敗に終わり、意気消沈してホテルのロビーにいた。
すると、笑い声と氷がグラスの中でチリチリと鳴るあの聞き覚えのある音が耳に入ってきた。

「今のぼくには酒が必要だ」と思いながら、彼はバーへと向かった。
突然、全く新しい声が心に響き、彼は立ちすくんでしまった。

「いや、酒は必要ないんだ。
今のぼくに必要なのは、もう一人のアルコール依存症の人だ!」

足の向きを変えると、ロビーの電話に歩いて行き、彼は次から次へと電話をかけ始めた。
そしてついに、後のAAの共同創設者となるボブ・スミス医師と連絡をとることができたのであった。

教会は、「私に必要なのは、罪を犯すことではなくて、もう一人の罪人なんだ」と躊躇せずに言える場所である。

God Bless You!!


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