2023年1月15日(日)
『文化戦争に敗北すること』
「文化戦争」という題で多くの聴衆に講演したときのことだ。
聴衆の多くがリベラルな民主党で、また熱烈な少数派たるユダヤ人もいた。
パネルディスカッションには、ウェルズリー・カレッジの学長ばかりか、ディズニーチャンネルやワーナーブラザーズの社長も来ていた。
私は福音派のクリスチャンとして招かれていた。
講演の準備をするために福音書を調べたが、イエスがいかに政治的ではなかったかということを思い起こすだけだった。
今日、選挙があるたびに、候補者のだれそれがホワイトハウスにふさわしい「神の人」かどうか、イエスが考え込んでいる様子は想像しがたい。
クリスチャンが文化戦争に敗北するときに起こることにも衝撃を受けた。
たとえば1960、70年代の迫害の波の中で、中国人の信仰者は罰金を払わされたり、投獄されたり、拷問を受けたりした。
しかし、政府のこうした抑圧にもかかわらず、教会史上最大とも言える霊のリバイバルが起きた。
目に見える国に苦しめられながら、五千万もの信仰者が、目に見えない国に忠実に仕えているのだ。
スピーチの順番が来ると、こんな話をした。
私が従っているのは、一世紀のパレスチナに生きたユダヤ人ですが、その人もまた文化戦争に巻き込まれていました。
彼は厳格な宗教制度や異教の帝国に逆らいました。
二つの権力はしばしば争いながらも、この人を抹殺するために手を組みました。
彼はどう応じたでしょう。
戦うのではなく、自分の命をこうした敵対者たちにささげ、命という贈り物を自分の愛の証明としました。
今際の際に、こんな言葉も発しました。
「父よ、彼らをお赦しください。
彼らは、自分が何をしているのかが分かっていないのです。
パネルディスカッションの後、だれもが知るテレビ界の有名人が近づいてきて、こう言った。
「あなたの言葉が胸にぐさりと突き刺さりました。
どうせあなたも私の嫌いな右派のクリスチャンだろうと思っていました。
私はイエスに従っていません。
ユダヤ人なのです。
でもあなたが、敵を赦すイエスの話をしたとき、自分がその精神からどれほど離れたところにいるか気づかされました。
イエスの精神には大いに学ぶところがあります」と。
God Bless You!!
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