2021年2月1日(月)の手紙

2021年2月1日(月)


『だが、おまえの弟は死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったのだから、喜び祝うのは当然ではないか。』ルカの福音書15章32節


江戸時代、仲の良い兄弟が、一緒に歩いていて小判を二枚拾いました。
二人はそれを一両ずつ仲良く分けました。

橋の上に来たとき、突然、弟はその金を捨ててしまったのです。

兄が驚いて聞きました。
「これ、真之介、せっかく拾ったものをどうして捨てたのじゃ。」

「金を拾ったため、生まれて初めて、兄上さえおられなければ、もう一両も私のものだったのに、と考えてしまったのです。
そしたら、兄上がたいへん憎くなってまいりました。
これではいけないと思い、きっぱりと捨てたのでございます。」

これを聞くと兄は涙を浮かべて言いました。
「本当のことを言えば、それがしも、ちょうどおぬしと同じようなことを考えていたのだ。
なまじ金など拾ったばかりに、もうすこしで我々兄弟は、もっと大切な宝をなくすところであった。
ああ、本当にあぶないところであったな。」

こう言うと、兄もいさぎよく一両を川へ捨ててしまいました。

God Bless You!!


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