2021年1月31日(日)の手紙

2021年1月31日(日)


『ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。私たちはその方の星が昇るのを見たので、礼拝するために来ました。』マタイの福音書2章2節


本郷定次郎は、育児暁星園という孤児院を建てて多くの孤児を助けました。

最初のころ、彼は逓信省に勤めながら、引き取った孤児5、6人に靴磨きをさせていました。
遊びざかりの子どもたちであり、また家庭でしつけなどされなかった子どもたちだったこともあり、本気で仕事をする子どもはひとりもいませんでした。

終日遊び歩いていました。
たまに1銭か2銭稼ぐと、すぐ買い食いをしてしまうという有様でした。
これには本郷も手におえなくてほとほと困りきっていました。

ある晩のこと、本郷は聞くともなしに、子どもたちのおしゃべりを聞いてしまいました。
「お前、大きくなったら何になるんだ?」
「お父さんはお役人さんで偉いけど、おれたちは靴磨きでつまらないよ。
だから、おれも大きくなったら、お役人さんになろうと思うんだ。」

これを聞いて本郷は、まるで雷に打たれたような強い衝撃を受けました。

「ああ、私が悪かった。
自分は袴をはいて、ゆうゆうと役所に出ていながら、子どもには筒袖を着せ、ブラシをもたせ靴磨きをさせている。
どうしてこれが、思いやりのある孤児の育て方であろうか。」

彼は、深く反省しました。

その翌日、彼はすぐに逓信省に辞表を提出しました。
そして自分も筒袖を着て、「短靴五厘、長靴八厘」と大書した笠をかぶり、子どもたちと一緒に、「くつみがき、くつみがき」と叫んで、東京市中を歩き回りました。

それからというもの、ひねくれていうことを聞かなかった子どもたちは、本郷のいうことを素直に聞くようになりました。
そして、一心同体となって親子以上の生活をするようになったのです。

God Bless You!!


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