2012年4月12日(木)
『神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである』ヨハネによる福音書3章16節
神は丘を見渡された。
神の目はすでに、このあとに続く場面が映っている。
三本の十字架につけられた三つの人影。
両腕を広げ、頭を垂れている。
うめき声が、風の音に混ざって聞こえる。
十字架のそばには、兵士の服に身を包んだ男達が地面に座っている。
丘のふもとには、悲しみに包まれた女達が身を寄せあっている。
涙で頬を濡らしながら。
天のすべてが戦わんとして立ち上がる。
自然のすべてが救わんと奮い立つ。
すべての永遠なるものが守らんと、体制を整える。
それでも神は、何の命令もくだそうとはなさらなかった。
「これは、なさなければならない事なのだ」とおっしゃって退かれる。
誰かが再び、口を開いた。
「では、せめて痛みを少なくするだけでも」
創造主は、柔らかにそれをさえぎって言われた。
「だが、それでは愛ではなくなってしまう」
そう言われた父なる神の瞳は潤んでいた。
God Bless You!!
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