2011年12月10日(土)

2011年12月10日(土)


『するとその弱い人は、あなたの知識によって滅びることになる。この弱い兄弟のためにも、キリストは死なれたのである』コリント人への第一の手紙8章11節


ある街に、とても貧しい女性がいた。
食べる物もなく、家もない、家族もいない、まして彼女を愛してくれる人などいない。

時折、街に出かけてみるが、きらびやかな街灯のもとショーウィンドウに映る自分の姿を見て彼女の惨めさは増すばかりだった。

ガラス越しには楽しそうに食事をする家族がいる。
隣の席では恋人同士が語り合っている。

彼女の飢えは、空腹以上に心が飢えていた。
愛に飢えていた。
彼女が歩いている前から家族連れが歩いて来たが、彼女はあえてその中を割って歩いた。
彼女の背後から口汚く罵る声が聞こえてくる。
そんな言葉も、もう聞き飽きた。

角を曲がったその時に、ひとつの小さなパン屋があった。
見慣れない新しい店だった。
彼女はガラス越しにひとつひとつパンを眺めながら空腹を満たしていたが、遂に我慢する事ができずに、入口近くにあるパンをわしづかみにして逃げ出した。

当然、店主は彼女のあとを追いかけて遂に彼女に追いついた。
彼女は盗んだパンを投げつけて言った。
「返せばいいんだろう!!」

その時、店主は優しく彼女の肩に手をかけて囁いた。
「それだけでは十分ではないでしょう。
どうぞこのパンも持って行って下さい。
あなたがお腹がすいた時はまたいつでも来ればいい」

その時、天から声が聞こえた。
「私は彼女のためにも死んだのだよ」と。

それから数年が経って、彼女がどうなったかご存じだろうか。
彼女は小さなパン屋の店主と結婚し、働き者で有名な2人の息子の母になった。

知識は人を滅ぼし、愛は人を生かす。
あなたが軽んじているその人のためにもイエス様は死なれたのだ。

God Bless You!!


a:354 t:1 y:0