2022年8月17日(水)
『イエスはこれを聞いて、彼に言われた。『まだ一つ、あなたに欠けていることがあります。あなたが持っている物をすべて売り払い、……そのうえで、わたしに従って来なさい。』彼はこれを聞いて、非常に悲しんだ。大変な金持ちだったからである。』ルカの福音書18章22節、23節
「彼はこれを聞いて、……」とあるが、あなたも、このような厳しいことばを主から聞いたことがあるだろうか。
もしないとしたら、主が語られることを今まで何一つ聞いたことがないのではないか、と私は疑わずにはいられない。
実際、イエスは私たちに非常に多くのことを語っておられるが、私たちには聞こえていないだけである。
しかし、ひとたび聞こえると、イエスのことばは想像以上に厳しい。
イエスは、この裕福な若い指導者が良い決断ができるような気遣いを、いっさいしておられない。
そればかりか、ご自分のところに引き止めようとしてもおられない。
「あなたが持っている物をすべて売り払い、……そのうえで、わたしに従って来なさい」と言われただけである。
主はご自分に従うように懇願もせず、ご機嫌取りをすることもなかった。
人間がかつて聞いたことのない、いっさい妥協のないことばを語り、あとは彼自身の判断に委ねただけであった。
私もイエスからの厳しいことばを聞いたことがあるだろうか。
イエスが私に個人的に話しかけ、私も心を傾けて聞いたことがあっただろうか。
だれかに説明できるような内容としてではなく、私に直接語ってくださったことがあっただろうか。
この青年はイエスに言われたことを理解した。
それをはっきり聞き、その意味の重大さに気づき、激しく動揺した。
傲慢さは消え、悲嘆と失望の色がありありと見えた。
イエスのもとに来たときには熱意と決意がみなぎっていたが、イエスのことばを聞いただけで、立ちすくんでしまった。
イエスへの献身という結果には至らず、挫折と失望を抱くことになった。
しかし、イエスは彼を引き止めようとはされなかった。
ご自分のことばがひとたび心に入れば、遅かれ早かれ実を結ぶ時が来る、と確信しておられたからである。
恐るべきことに、自分の今の生活にみことばが実を結ばないようにする人が中にはいる。
しかし、ついに主に明け渡す決心がついたとき、その点についてどう申し開きをするのだろう。
一つだけ確かなのは、主は私たちの過去の失敗を目の前に突きつけるような御方ではないということだ。
God Bless You!!
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