2021年1月25日(月)の手紙

2021年1月25日(月)


『なぜなら、だれでも自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされるからです。』ルカの福音書 14章11節


ポーランドに住むラビのハフェツ・ハイームは、ワルシャワで用事をすませてラデンの町へ帰るために、汽車に乗っていました。
隣の旅人もやはりラデンへ行くと言ってハフェツに話し出しました。

「私は『生命を慕う者』の著者である偉大なラビであるハフェツ・ハイームに、会いに行くんですよ。
聖人で偉大な学者でもあるあの方から、祝福を受けたいと思っているんです。」

(自分のことをこんなに誉めてくれる人がいる。
そしてわざわざ会いに来る。彼は私をかいかぶっているのだ。)

不安になったラビは、彼の計画をやめさせようとしました。
「ラビはあなたが思っているような、偉大な学者でも聖人でもありませんよ。
わざわざ会いに行くほどの者じゃないと思います。」

旅人は、みすぼらしいなりをした男が平気で、尊敬するラビの悪口を言い出したので、 非常に腹を立てました。
「こいつ、何てことを言うんだ!」と声を荒げて言うや否や、ラビを殴りつけました。

ラデンに着いた旅人は、ラビのハフェツ・ハイームの家を、ようやく探し当ててやって来ました。
ドアから出て来た男の顔を見て、旅人は悲鳴をあげて驚きました。
ラビの悪口を言われて、殴りつけた男ではありませんか。
彼は平身低頭で謝りました。

「いやいや、そんなにして謝ることはありません。
私の方こそ、殴られてお礼を言うべきだったのです。
今まで気がつかなかった新しい教訓を、あなたから教えていただいたんですから。

私は今まで、他人を中傷してはいけない、ということは厳格に実行してきたのですが、今日、「中傷してはならない」ということは、自分自身をも中傷し卑しめてはならない、ということを教えられたのです。
私が自分自身を卑しめた途端、あなたが殴ってくださったので、そのことに気づいたのです。」

God Bless You!!


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