2018年6月3日(日)の手紙

2018年6月3日(日)


『神の御霊に導かれる人は、だれでも神の子どもです。』ローマ人への手紙8章14節


高等学校時代の彼は、特に秀でた学生というわけではありませんでした。
が、静かなすばらしい心を持っていました。
何よりも上質の音楽を愛し、ピアノに向かって座ると、回りをまったく忘れるほどでした。

けれども、あの恐ろしい戦争が彼をロシアに引っぱり出し、彼はそこからついに戻りませんでした。
時々、彼のことを思い起こします。
そのたびに彼の好きだった祈りが浮かんできます。

「与えたまえ、主よ。みむねにかなう心を。王者の霊を。
あなたに嫁ぐものと心定め、世や罪と呼ばれるいっさいを退けるため」。

実に驚くべき祈りです。
使徒が「神の御霊に導かれる人」ということばで言わんとしたことを表してもいます。

私たちは時として惨めなキリスト者生活を送ることがあります。
すると「主への喜び」などは消えてしまいます。
そして絶えず神と談判をするようになります。

「キリスト者はこれをしてはいけないのですか。かまわないでしょう」。
絶えず心配しながら、この世の風潮に合わせようとするのです。
あるいは、片すみに座り込んで、世のよこしまに不平をこぼすだけです。

きょうのみことばは、とはまったく違うキリスト者生活を示しています。
この場合もやはり人はこの世という家に住んでいて、世の悩みや問題にかかわります。
が、それそれでいて多くの人々とは別の階に住むのです。

また、彼は自分が神の家族の一員であることを知っています。
イエスの血によって神のものとして買い取られたからです。
こうして彼は聖霊に住まいを提供します。

聖霊は「導いて」くださいます。
また御父のもとにある喜びを与えてくださいます。
それはイエスの「兄弟」としての喜びであり、彼は主イエスに似る者とされ、正しい尺度を持つ者とされます。
彼は「王者の霊」を与えられるのです。

主よ。
私たちを神の子どもの自由へと導きたまえ。
世よりも、あなたに近く生かしたまえ。アーメン

God Bless You!!


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