2018年2月22日(木)の手紙

2018年2月22日(木)


『イエスは二度目に離れて行き、祈って言われた。「わが父よ。どうしても飲まずには済まされぬ杯でしたら、どうぞみこころのとおりをなさってください。」』マタイによる福音書26章42節


昔、友人たちとスイスのエンガディンにあるディアフォレッィア小屋に登りました。
便利な登山電車のなかった時代のことです。

友人が遥かかなたの頂上を指さしたとき、私はそれを、たいしたことはあるまいと思いました。
が、やがて大岩壁を前にすると、さて自分には登れるかと不安になりました。

ゲッセマネの主イエスを表すのに、これはあまりにも貧弱なたとえです。
地上の生涯を、主は十字架に向かってためらわずに進んで行かれたからです。

しかし今、主の前に恐るべき死の壁が立ちはだかります。
苦悩の中で、主は御父のもとに逃れました。
「わが父よ。ほかに道はないのですか」。
御父は言われます。「ほかに道はない」。
そこでイエスはご自分をささげることに決められたのです。

ここで主は、私たちに先立ってひとつの道をお進みになりました。
どんなキリスト者にもしばしば暗黒の時があり、神が私たちに犠牲を要求なさることがあるからです。
例えば神が、「その罪を捨てよ」。
また「その奴隷のかせを砕け」と仰せになることがあり、あるいは、愛する人を、財産を、重要な地位を、取り上げられることがあります。
それに対して私たちは、この貧弱な心でどうすれば立ち向かえるでしょうか。

ゲッセマネで重荷を引き受けてくださった救い主を、しっかりと見つめることです。
生涯の決定的な時々に、苦闘する救い主のもとにひれ伏して、私たちの心とすべてとをささげる決断をすること。
それは、静かではあるが、大いなる出来事です。
その時に、キリスト者は詩篇34篇に記されていることをみずから経験するのです。

「彼らが主を仰ぎ見ると、彼らは輝いた。『彼らの顔をはずかしめないでください。』」

主よ。
先立って、私たちをお助けください。アーメン

God Bless You!!


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